第一部 LECTURE

基調講演

静岡県立大学薬学部教授・健康支援センター長の山田浩氏より「お茶でインフルエンザは予防できるか?認知機能低下は改善するか?」、山形大学農学部 食料生命環境学科 准教授の井上奈穂氏より「健康診断結果で見直す生活習慣~お茶でコレステロールや体脂肪は下げられるか~」と題し、講演を行いました。

お茶でインフルエンザは予防できるか?
認知機能低下は改善するか?

山田 浩 氏 静岡県立大学薬学部教授・健康支援センター長

山田 浩 氏 山田 浩 氏

インフルエンザ予防対策として、緑茶のうがいも効果的ですが、ウイルスが体内に入ってしまった後の体の中から抵抗力を高める作用がカテキンにはあるため、うがいと併せて飲用もおすすめです。また、お茶に認知機能低下の改善が期待できることには大きな意義があります。

インフルエンザはインフルエンザウイルスによって起こる急性の重症上気道感染症です。感染力が非常に強く、その予防対策としてワクチンの接種や、手洗い、マスクの着用、うがいの励行といった方法がありますが、どれを取っても万全とはいえません。このような予防対策に加え、最近、茶カテキンのうがいや緑茶の飲用による、新型を含めたインフルエンザの予防効果が注目されています。また高齢社会の到来により、認知症の発症予防や進展抑制は、健康増進の重要な課題となっています。本講演では、緑茶の持つ様々な健康増進効果のうちインフルエンザ予防と認知機能低下への改善効果について、私達の研究成果を踏まえて概説します。

山田 浩 氏 山田 浩 氏

基調講演 ダイジェストムービー(3:03)

基調講演 フルムービー(23:10)

健康診断結果で見直す生活習慣
~お茶でコレステロールや体脂肪は下げられるか~

井上 奈穂 氏 山形大学農学部 食料生命環境学科 准教授

井上 奈穂 氏 井上 奈穂 氏

血中コレステロール、内臓脂肪に対するカテキンの生理作用の研究では、ガレート型カテキン配合飲料を1日400ml、12週間毎日続けて飲むと総コレステロールが低下させることや、内臓脂肪低減作用を発揮することが明らかになりました。

お茶にはいくつかの健康成分が含まれますが、中でもカテキンは大きな役割を持っています。カテキンには多様な生理作用が知られていますが、我々はとくにコレステロールや内臓脂肪に着目し研究を行いました。その結果、ガレート型のカテキンが腸管内でのコレステロールや脂肪吸収を抑えて血中LDLコレステロールを低下させることや内臓脂肪低減作用を発揮することを明らかにしました。このような作用は薬のように強くはありませんが、習慣的に摂取することで、穏やかに効果を発揮し人の健康によい影響を与えると考えられます。

井上 奈穂 氏 井上 奈穂 氏

基調講演 ダイジェストムービー(1:36)

基調講演 フルムービー(26:07)

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